お身体に障害のある方が車を運転する場合、運転免許の取得や教習所探し・車の改造や購入など、多くのハードルが存在します。
この記事では、障害のある方が車の運転をするために必要な、運転免許取得から車の手配までの流れを説明しています。
■運転免許
車の運転に運転補助装置が必要となる障害者の方には、運転免許に「手動式限定」「左アクセル限定」などの条件が付けられます。
障害のある方が新たに車を運転する場合,①新たに運転免許の取得をする場合②運転免許取得後に障害を持った場合に分かれ,それぞれ手順が異なります。
どちらの場合も,はじめに運転免許センターで運転適性相談を受ける必要があります。
運転適性相談では、障害の程度や部位が運転できる範囲かどうかの適性検査を行います。適性検査で合格すると、運転に必要な免許条件が付与されます。
無条件適格 | 運転に特に条件が必要ない |
条件付適格 | 安全な運転が行える範囲の免許種別・車種・構造・補装具の使用など条件が付く |
不適格 | 運転が認められない |
①新たに運転免許を取得する場合
運転免許センターでの運転適性相談後,指定自動車教習所にて教習を受けることになります。
②運転免許取得後に障害を持った場合
運転免許センターでの運転適性相談後に付与された限定条件で,運転することが可能になります。
指定自動車教習所での講習は必須ではありませんが,指定自動車教習所で練習後に運転することもできます。
■教習所選び
適性検査に合格したら、教習所探しです。自分に付与された免許条件(手動式や左アクセルなど)にあてはまる教習車が準備可能な教習所を探します。
条件にあてはまる教習車がない場合、取り外し可能な運転補助装置を教習車に取り付けるか、改造車を持ち込んで教習を受けることになります。
教習車使用 | 付与された免許条件(手動式や左アクセルなど)にあてはまる教習車で教習を受ける |
運転補助装置持ち込み | 取り外し可能な運転補助装置を教習車に取り付けて教習を受ける |
改造車持ち込み | 自分の車を改造して教習所に持ち込み教習を受ける |
改造車を持ち込んで教習を受ける場合は、教習所や公安委員会の許可が必要な場合がありますので、事前問い合わせが必要になります。
ウェルビー広島では、運転適性相談の手配から教習所の選定、教習車の準備までの相談を無料で行っております。
■運転補助装置の取り付け
障害のある方が運転する場合,運転補助装置を取り付けるなどの車両の改造が免許交付や更新の条件になる場合があります。
ウェルビー広島で取り扱っている運転補助装置の例をご紹介します。
種類 | 対象となる方 | 説明 |
手動運転装置 | 車椅子をご利用の方 | 手動でアクセルやブレーキを操作できます |
旋回ノブ | 車いすをご利用の方 片手・両手が不自由な方 |
ステアリング操作が楽になります |
左足用アクセル・ ブレーキ |
右足が不自由な方 | 左足でのアクセル操作を可能にします |
ジョイスティック 運転装置 |
両手両足が不自由な方 | 軽い操作で自動車運転ができる運転装置 |
サポート用品 | 片手・両手が不自由な方 | レバーやウィンカー・スイッチ操作をサポート |
リーチ補助用品 | 背の低い方 | 足台や嵩上げで運転席を体に合わせて調整 |
車椅子収納装置 | 車椅子をご利用の方 | 車椅子を機械を使って収納できます |
上記は運転補助装置の一部です。運転補助装置を選ぶにあたっては,運転免許の条件に適合しているか,またご自身の身体状況に適合しているかを実際に体験してみることをお勧めします。
運転補助装置は、車の種類によっては取り付けができない場合もありますので、十分に検討することが大切です。
■助成制度
市町村では,障害者の社会参加を促進するための事業として,障害のある方の運転免許を取得するための費用と自動車を改造するための費用について,それぞれその一部を助成する制度があります。
市町村によって助成内容は異なりますので、詳細はお住まいの市町村にお問い合わせください。
・障害者自動車運転免許取得費助成(広島市)
対象 | 市内に1年以上住所を有する身体障害者手帳、療育手帳または 精神障害者保健福祉手帳所持者 |
助成額 | 自動車学校に納入した費用の3分の2を助成 限度額 10万円 |
手続き | 免許取得後1年以内に、備え付けの自動車運転免許取得費助成金支給申請書に 印鑑と身体障害者手帳、療育手帳または精神障害者保健福祉手帳、自動車運転免許証 及び自動車学校に納入した費用を証する書類を添えて、各区厚生部福祉課へ申請 |
・身体障害者自動車改造費助成(広島市)
対象 | 補助額 |
課税所得金額が特別障害者手当所得制限額以下の方 (障害の制限はありません) |
10万円を限度に要した額 |
上肢、下肢、体幹または移動機能障害1~3級で課税所得金額が 特別障害者手当所得制限額を超える方 |
5万円を限度に要した額の2分の1 |
■優遇制度
障害のある方の自動車運転に関する優遇制度について一部紹介します。
・福祉車両や運転補助装置や補助装置が付いた車両,改造費の消費税免除
福祉車両の購入や改造時に、要件を満たしていると消費税が非課税となります。
対象自動車 | 身体障害者の使用に供するものとして特殊な性状、構造または機能を有する次の乗用自動車。 ① 障害者の運転に支障がないよう、運転免許の条件の趣旨に従い、その身体障害者の身体の状態に応じて、手動装置、左足用アクセル、足踏式方向指示器、右駐車ブレーキレバー、足動装置、運転用改造座席の補助手段が講じられている自動車 ② 車椅子および電動車椅子を使用する者を車椅子等とともに搬送できるよう、車椅子等昇降装置を装備し、かつ、車椅子等の固定等に必要な手段を施した自動車(乗車定員11人以上の普通自動車については、車椅子等を使用する者を専ら搬送するものに限る。) |
非課税となるもの | ●譲渡 ●貸付け ●製作の請負 ●修理(下記) イ 上記①の補助手段に係る修理 ロ 上記②の車椅子等昇降装置および必要な手段に係る修理 |
ご注意点 | ・他の者から委託を受けて一般自動車を非課税対象となる自動車に改造する行為は、製作の請負に該当し、非課税となります。 ・改造代金のみならず、改造をした自動車の譲渡代金が非課税となりますが、例えば、いったん一般自動車を購入し、その後改造を行う場合には、当初の一般自動車の購入は課税となり、改造代金についてのみ非課税となります。 ・補助手段の部品や装置自体の譲渡は非課税とはなりません。 |
消費税の免除には,自動車販売店または運転補助装置を取り付ける業者との契約時に手続きが必要です。
・自動車税(環境性能割・種別割)軽自動車税(環境性能割・種別割)の減免
要件を満たした場合、自動車税(環境性能割・種別割)軽自動車税(環境性能割・種別割)が減免になることがあります。減免措置は各自治体によって異なりますのでご確認下さい。
・有料道路の通行料金割引
有料道路を利用される障害のある方に対して、適用条件を満たすことで、有料道路の通行料金が通常料金の半額となります。
■福祉車両選びを間違えないために
福祉車両はメーカーや車種によって違いがあります。また、乗用車に運転補助装置を取り付ける場合、装置ごとに取り付け可能な車種は限定されています。
数多くの車の中から、自分のニーズに合った福祉車両を選ぶのは大変ですので、福祉車両に詳しい専門家に相談する事をお勧めします。
ウェルビー広島では、長年の教習所指導員経験を有する福祉車輌取扱士が、運転免許の取得から車選び・助成金の申請までお手伝いいたします。
【お問合せ先】
ウェルビー広島株式会社
担当:荒木・野田
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